眼科通信

眼科通信Vol.153【眼圧】

苦手な方も多いと思いますが、眼圧の検査はどうして必要なのでしょうか?

眼圧検査とは…
角膜に空気を当て、角膜の形状変化で眼圧を測る検査です。
眼圧とは眼球内圧のことで、眼球の膨らみを維持するための眼球圧のことをいいます。
眼球中には房水と呼ばれる液体が循環しており、眼球内の圧力が保たれています。
眼圧の正常値は10~21mmHgです。日本人に多いとされている正常眼圧緑内障は、眼圧が21mmHg以下にあっても緑内障変化をきたす疾患であり、測定眼圧が正常範囲内にあっても容易に大丈夫と考えるのは危険です。逆に、眼圧が21mmHg以上であっても緑内障変化を示さない高眼圧症というものもあります。また、眼圧には日内変動、季節変動などがあるといわれています。健常者でも1日を通じて3~6mmHgの変動があると考えられています。季節的には、暑い時期よりも寒い時期に眼圧は高値を示す場合が多いとされており、冬の寒い日に受診すると高値を示すという人もいます。

なぜ検査が必要なのか
眼圧検査は視力検査などと同様に、眼科において、一般的に行われている検査です。
眼圧測定の対象となる人は、緑内障など眼圧に異常が疑われる患者さんだけでなく、
その他の疾患で来院した人もスクリーニング検査の意味や、
眼の状態を知る基本的な検査であるということから、測定対象となることがほとんどです。
眼圧の上昇は、緑内障になるリスクを高めることがしられています。
また、ステロイド薬の使用歴がある場合、眼圧が上昇することもあります。
これらのことから、眼圧の検査は数値の変動をみるために重要な検査なのです。
※スクリーニング検査とは、まだ症状が出ていない方に対して病気の可能性の有無を調べる検査のことをいいます。

当院では二種類の方法で眼圧を測定しています。
・非接触型計(ノンコンタクトメーター)
目に空気を当てて測定します。検査室で機械に顔を乗せ、顎と額を付け、片目ずつ測定します。
空気が出るのは一瞬ですが、少し驚くかもしれません。

・接触型眼圧計(ゴールドマン眼圧計)
目に眼圧計を当てて測定します。診察室で細隙灯顕微鏡に顔を乗せ、顎と額を付け、片目ずつ測定します。
目に直接眼圧計を当てますが、麻酔の点眼をするので痛みはありません。

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